ジェットボーイは永遠に飛んでいる
泣き崩れた。声を上げて泣いた。
 映画(DVD)を観てこれほどまで泣いたことは今までなかったな。
 最近涙腺がゆるんでいるからっていうのもあるが、今回は今までブログで感涙したと書いた内容と涙のわけが違う気がする。
 ニューヨークドールズのベーシスト、アーサー・“キラー”・ケイン。
 彼のロック・ドキュメント『NEW YORK DOLL』を昨夜観た。
 噂には聞いていたけど、こんなにも赤裸々でとても切なく儚い作品だとは…
 昨年の夏、何人かの友人が『絶対観なきゃダメだよ!』って薦めてくれてたけど、映画館なんかで観ちゃったら大変なことになっていただろう。
 いつものようにみんなにオススメしたいけど、何だか言葉がでてこないなぁ。こんな時はあまり多くは語るまい。
 ニューヨークドールズは‘70年代前半<SEX,DRUGS&ROCK’N’ROLL>を地でいき、短命だったがパンクをはじめとする後のロックシーンに多大な影響を与えた伝説のロックンロールバンド。
 勿論リアルタイムではないけどオレもかなり影響を受けた。デヴィッドヨハンセン(Vo.)やジョニーサンダース(G.)もクールでカッコいいんだけど、やはり同じベーシストなのでアーサーケインが大好きだった。フロントで暴れまくる3人の後ろで強烈な個性を放つ佇まいが最高にいいんだ。そして『‘60年代のサンダーバードを使い、膝上のプラットフォームブーツを履いている。』というスタイルはモット・ザ・フープルのベーシスト、オヴァレンドワッツと共通するのだ(個人的にはアーサーのファッションセンスのほうが好きだな)。オレが彼等に憧れていた当時、どんだけ膝上のブーツが欲しかったことか(一度エナメルのロングブーツを特注したことあるけど。)…そういえばあまりに悪名高いバンド故にアーサーケインは死んだと噂されてたっけ。
話がそれてしまったが、そんなアーサーケインという男がロックンロールに蝕まれて栄光と挫折を痛々しいほどに味わい、そして30年振りに再びステージに上がり最後は静かに逝ってしまうという現実にオレは物凄く心を揺さぶられたのだ。光があれば影がある。ロックンロールの栄光だけでなく影の部分をも知ってみたい人にとっては、胸が張り裂けそうになるくらい感動的な作品だと思うので興味を持った人は是非。
泣いてしまって途中ちゃんと観れなかったので、もう一度観てみようと思う。
2007.01.15 (Mon) 0:00:00

    
        











